ラブホテルのベッドは、ベッドスロー、クッション以外に多くのものが配置されている。
その1つがコンドームだが、それについての話だ。

日本のコンドームのブランド「オカモト」。
「オカモト」といえば、設立80年を超える超優良企業である。
その「オカモト」が、中国のメーカー「広州大明連合ゴム製品
(Guangzhou Daming United Rubber Products=以下、大明)」
から訴えられ裁判が始まったという。
その裁判の内容は、“コンドームの薄さについて”である。

2012年以来、0.038mmの薄さにより、“ギネス世界記録認定の世界最薄”
といった宣伝文句を使用するようになっていた「オカモト」。
しかし、2013年12月、中国の大明は自分たちのコンドーム“AONI-ultra-thin001”
が0.036mmで世界一の薄さだとギネスに認められたため、
「オカモト」の世界一の表示は虚偽にあたると主張している。

その裁判がこのほど行われたが、両者一歩も譲らずの展開になっている
ことを『サウスチャイナ・モーニング・ポスト』が伝えている。
その不当な宣伝文句を排除し、損害賠償を支払うようオカモトに求めた大明。

一方、オカモトは、「大明のコンドームは0.036mmより厚い」という
結果が得られたとして、大明が示した数値そのものに疑問を投げかけ、
彼らの要求には一切応じない構えを見せた。

そんな折、「オカモト」は日本国内において、かつてない薄さを誇る
“オカモトゼロワン”という製品を発売した。
実は、私も手にしてみたが、ハンパなく薄い。
根元、中央から先端のすべてにおいて0.01mm台の薄さを実現したとのこと。

コンドーム裁判の背景にあるのは、昨年「オカモト」が中国・広東省にて工場を作り、
現地生産を始めたことにあるだろう。
「オカモト」は、年間100万グロス(1億4400万個)の生産体制に入っている。

中国のコンドームといえば、2013年4月に偽ブランドのコンドームを輸出し、
それが穴だらけの粗悪品で1億2000万個を回収した事件があった。
避妊具に穴が開いていたのでは話にならないわけで、そもそも穴の空いたコンドームって、
避妊具と言えない、つまりコンドームと言えないのではないか、という疑問がわく。

薄さで争う前に「破れない」製品を作れよ。